口が覚える基礎英文法 07.現在完了(1)

パートⅠ 文法の説明

Contents

現在完了の形

(1)「have (has) + 過去分詞」

主語が3人称単数の時はhas, そのほかの時は have となります。

I have done my work. (仕事をしてしまった)

He has done his work.

They have done their work.

(2)「have (has) been +~ing」

「今まで~して続けている」という意味を表す現在完了進行形は、上記のような形をとります。

I have been doing my work. (今までずっと仕事をしている)

He has been doing his work.

They have been doing their work.

◎会話では、現在完了の have や has は主語と結びついて、I’ve, We’ve, You’ve, He’s, She’s, It’s, They’ve と短縮されるのが普通です。


現在完了の意味

現在完了は日本語にはないので、なかなか理解がしにくいと思います。用法としては4種類の使い方がありますが、根本的な考え方は共通しています。この考え方をしっかり理解しておけば、現在完了形もそう難しくはなくなると思います。

現在完了時制を使うのは、「過去の事実がなんらかの形で、現在に影響を及ぼしている」場合です。例えば、I have done my work. (仕事をしてしまった)というと

(1)「過去に仕事をした」ことと

(2)「現在仕事はしていない」ことの2つが含まれます。

つまり、過去と現在の2つにまたがった描写をしています。しかも過去と現在の意味のうち、現在の方がより重要な意味を持っています。

訳で見れば、「仕事をした」(過去)のではなく、「今は仕事をし終わった状態にある」ことを示しています。

このように「過去から現在にまたがっていること」を表す言い方が現在完了と考えればよいです。


現在完了の用法

(1)完了

現時点までに動作が完了していることを表します。just, already, yet などの副詞といっしょに用いられることが多いです。

I have just finished breakfast. (朝食をちょうど済ませたところです)

I have already done my work. (もう仕事は済ませてしまった)

He hasn’t had breakfast yet. (彼はまだ朝食を済ませていない)

Have you finished lunch yet? (もう昼食を済ませましたか)

◎上記の最後の3つの例のように、「すでに、もう」という意味を表すには、疑問文・否定文では yet を用い、肯定文では already を用いるのが普通です。

◎already を疑問文に用いると、「もう~したんですか」と驚きや意外な気持ちを表します。

Have you finished breakfast already?
(えっ、もう朝食を済ませたんですか。— 早いですね)


(2)結果

過去の動作の結果が現在の残り、それが話題にある場合に用います。

Has he plane arrived yet?

(飛行機はもう着きましたか —— そしてまだ離陸していない)

Sam has already gone to bed.

(サムはもう寝ました —— そしてまだ寝ている)

Has Betty come home yet?

(ベティ―はもう家に帰ってきましたか —— そしてまだ家にいる)


(3)経験

「~したことがある」という意味を表します。ever, never, often, once などの副詞と一緒に用いられることが多いです。

Have you seen the art museum? (あの美術館を見たことがありますか)

Have you ever read about Eskimos? (エスキモーのことを読んだことがありますか)

I have never been to Nagasaki. (長崎へは一度も行ったことがありません)

—— have been ~ は「~へ行ったことがある」の意味。have gone to ~ ともいうことがあります。Has he never gone to Nikko? (彼は日光へ行ったことがありますか)


(4)継続

動作・状態が現在まで継続していることを表します。for, since などの語と一緒に用いられることが多いです。

We have wanted a piano for a long time.

(長いことピアノがほしいと思っていました —— そしてまだそう思っている)

Judie has been sick for two weeks. (ジュディはここ2週間病気です)

Jane has been sick in bed since last Saturday. (ジェーンは先週の土曜日からずっと病気で寝ています)

He has been in Japan for five years. (彼は5年間ずっと日本にいます)


ここまでは「パートⅠ」として文法の説明を示してきましたが、これがわかっただけでは使い物にはなりません。

実践練習が必要です。ここからが本当の意味での文法学習ということになります。スポーツと一緒で何度も基本的な練習がどうしても必要になってきます。英語は私たちにとって外国語です。普段は日本語に囲まれて生きています。意識的な努力が必要なのです。どうか、繰り返してみてください。少しずつではありますが、口をついて英語が出てくるようになってきます。

今までのように、日本語の単語や表現を英語に当てはめようとする頭の働きではなく、スパッと英文がでてくるように必ずなります。頑張ってください。

パートⅡ 文法口頭特訓(現在完了 1)

問題文の日本語の後にポーズが入ります。その間に英語をあなたの口から出してみてください。始めは出てこないでしょう。今までこうした練習はしてこなかったのですから当たり前です。ですから、何度もアタックしてみてください。英語が自分の口から出てくる数が増えてきます。モデル解答の後ももう一度口に出して言ってみることが大切です。

※「エスキモー」という言葉について

「エスキモー」という言葉は差別用語だとされる方がいるようですので、ちょっと調べました。すると以下のような文章がありましたのでご紹介したします。また、このサイトでもこの主張に従おうと思います。

番組内でのエスキモーの呼称について

1991年11月、カナダ政府はエスキモーと呼称していた先住民について、その呼称は「生肉を食べる人」という蔑称であり差別的であるとして、彼ら自身の言葉で「人間」を意味するイヌイットと公式表現することを決め、イヌイットとの合意に達しました。以来、カナダではエスキモーが差別語として定着しています。

しかし、アラスカに住む先住民は、自分たちを「エスキモー」と呼び、その呼称に誇りを持って生活しています。今回番組で取材したアメリカ大陸最北端、アラスカ州バローの先住民は、自分たちを「イヌピアット エスキモー」と呼び、先祖代代の自然とともに生きる暮らしを守ろうとしています。取材に対し彼らは「イヌイットという呼称はカナダ先住民のものであり、自分たちはあくまでもエスキモーである。」と強く主張し、イヌイットという呼称に強い嫌悪感を示しました。

また、バローを管轄するアラスカ州ノースボロー郡のメイヤー(郡役所の長)やアラスカ大学博物館などにも確認した結果、アラスカ州の先住民は、エスキモーと呼ぶべきであるという回答を得ました。アラスカ州の公式文書及びアラスカ大学博物館の展示文書等も全てエスキモーの呼称で統一されています。
本来、民族名は他が決めるものではなく、その民族が自らをこう呼ぶとする呼称を尊重することが必要です。この考え方をもとに、今回の取材対象となった先住民の呼称は「エスキモー」で統一することとしました。

尚、グリーンランドの先住民は、自らを「エスキモー」と呼称しています。また、エスキモーと同様のルーツを持つシベリア先住民の人たちは、「キューピック」と呼称し、ともに「イヌイット」と呼ばれることを嫌悪していることを付記します。

以上
文責)東日本放送 制作部
加藤 昌宏

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